<南風>ワクワクドキドキの店


社会
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 ハッピーモア市場(宜野湾市志真志)のスタッフは全員女性です。従来の野菜屋のイメージではなく、「宝石箱を開けたときのようなワクワクドキドキと、ブティックで洋服を選ぶように楽しく野菜を買えるお店をつくろう!」と考えました。そのため、ポップ作りやディスプレイなど創意工夫を店内にたくさん散りばめています。「こんなお店があったらいいな」に近づけるように、スタッフ一人ひとりが毎日想像し実践しています。

 スタッフが一番大切にしていることはお客さんとのコミュニケーションです。野菜はどこのお店でも売っています。でも、わざわざここで買いたい、ここに来たい、スタッフに会いたい、と思われるお店にしたいのです。お客さんの中には子供の入学、卒業、結婚や出産の報告までしてくれる方もいます。スタッフも自分のことのように喜び、そして一緒に涙することもあります。お客さんが家族に会いに来るような感覚で来店してほしいのです。

 「いつも楽しそうに仕事してるね」と言われるスタッフですが、仕事が盛りだくさんです。レジ販売、バイヤー業、宅配、SNSでの広告など、一人で何役もこなしています。レジ打ちをしながらお客さんからの質問に答えないといけないのでかなり大変な仕事です。お客さんの期待に応えるため、野菜のことなどを日々勉強しています。

 お客さんや農家さんからおいしい食べ方や効能などを教わることも多くあります。今ではハッピーモア市場の看板商品になっている「野菜スムージー」も実はお客さんからのアドバイスでした。「東京では駅前でスムージーが流行(はや)っているわよ。ハッピーの野菜でも作ってみたらどう?」と言われ、試行錯誤し、今のスムージーができました。

 毎日の仕事で新たな発見や学び、働く喜びを感じていける職場でありたいです。
(多和田敬子、ハッピーモア市場取締役)