<南風>成長の機会


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 数年前から、社外で講師をする機会が増えた。大学や専門学校、企業など様々なご依頼をいただく。学生さんには航空業界に関する職業の話が中心だが、時にはホスピタリティやCS(顧客満足)、マーケティングの講義もさせていただく。学生さんたちのキラキラした目がとても嬉(うれ)しい。

 県外の大学で講義したときは、JTAのことを知らない学生さんたちが多かった。島くとぅばのアナウンスやジンベエジェットの話をすると、日本にこんな航空会社があったのかと、ワクワクした表情になり質問も多くいただいた。終了後の学生さんのコメントに励まされることも多い。「社会人になる上で、一番大切なことは何かを考えさせられる講義だった」など。

 私の拙い話が少しでもお役に立てたら、という想(おも)いで講師をお引き受けするが、終わってみると、自分の方が成長の機会をいただいていることに気づく。企業からのご依頼は、マナー講座やホスピタリティ、モチベーションアップに関する内容が多い。

 特に印象的だったのは、ある企業の支店長からのご依頼。従業員の接客力向上のために研修をしてほしいとのこと。正直なところ、ご期待にどれほどお応えできるか全く自信はなかった。研修は女性社員が大半の約80人、皆さんがあまりにも熱心で、その聴講姿勢にこちらが感動した。福岡支店からもインストラクターの方が参加され、数カ月後には、福岡支店のリーダー研修にもお呼びいただいた。終了後は涙を流しながらご挨拶(あいさつ)をいただくこともあり、人は何に心を動かされ、スイッチが入るのかということを考えさせられる。

 90~120分の講義、最初は気が重く前日は眠れないほど悩んだが、今では人前で話すことが苦ではなくなってきた。とても勉強になる。こんな私だがまだまだ成長できるかもしれない。
(亀川智子、JALJTAセールス法人G長 JTA客室乗務員)