<南風>ジェンダー


社会
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 セクシャルハラスメントの有無を巡り、問題になっています。セクシャルハラスメントは人権侵害だという認識は浸透していないことが明らかになりました。

 珊瑚舎スコーレにジェンダー(社会的、文化的性差)を切り口に“ゆんたく″をする小さな会があります。13歳の女子は「小さい頃ウルトラマンが好きだったけど、口にだせなかった。小2の時男子でプリキュアが好きという子がいて、男女で分けないっていいなと思った」。15歳の男子は「言葉は知っていたけど、他人ごとだった。でも高校生たちが、あれってジェンダーじゃない?という会話をしていて興味を持った。その意味が分かってこれまで当たり前、普通だと思っていたことの見方が大きく変わった」。18歳の女子は「あるフェミニストの講演を聞いて、自分の中でもやもやしていたこと、その感情に名前がついた。自分にない視点を手にいれないと見えないことがあると分かった」。自分の価値観を押しつけたり、説教をしたりするつもりはないけど、日常の理不尽なことに声をあげないと気持ち良く過ごせないからねと言います。

 先日のシンカ会議(ホームルーム)の時間に彼らが「これまでの学校生活で感じる男女差別ってある?」とみんなに問いかけたら、出るわ、出るわ。「力仕事は男子と決めつけている」「晴れているんだから男子は外で遊んでこい。中で遊んでいたら女子みたいだぞ」「男子と遊んでいたら女子から気持ち悪いと」「図鑑を集めていたら男みたいだと」「女はかわいく、男はかっこよく」「出席をとる時いつも男子から始まる」などなど。60代の私が子ども時代に言われていたことと同レベルです。

 こうしたジェンダーの言動がセクシャルハラスメントを生む土壌になっていることに私たちは気付かなければなりません。

(遠藤知子、珊瑚舎スコーレ スタッフ)