<南風>沖縄県医・科学サポートプログラム


社会
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 選手は怪我(けが)をすることがある。部活動だけでなく、家庭での家事手伝いや友人とのレクなど、怪我の発生場面はさまざまだ。怪我をした瞬間、選手はチームへの影響を真っ先に考えるものだ。部員がそう多くない水球競技では、一人ひとりの役割が大きいため、仲間に迷惑をかけてしまうのではないかと不安にかられやすい。日頃の練習の中で、怪我をしない身体づくりや困難な状況に耐え得るメンタルトレーニングなどが必要だ。

 その大きな助けになるのが、沖縄県医・科学サポートプログラムだ。沖縄県体育協会専門委員会の中に組織され、スポーツ科学、スポーツ医学、スポーツ栄養、コーチング、トレーナー、スポーツファーマシストの六つの部会から成る。医師、理学療法士、薬剤師、栄養士、学識経験者など、各界の専門家がスポーツの医・科学的な調査研究を行い、競技者の健康管理やトレーニング方法の改善を図り、本県スポーツの振興および競技水準の向上に寄与することを目的としている(沖縄県体育協会スポーツ医・科学委員会規則より)。受益者負担を原則としているが、必要最低費用に抑えられている。先日実施された説明会では、熱い思いを持った委員の先生方の話を拝聴することができた。

 今年度、那覇西高校水球部ではメンタルトレーニングの強化を目標の一つに掲げている。指導者研修で何度かメンタルトレーニング講座を受けているが、研修内容をチームに還元する難しさを感じていた。そこで、沖縄県医・科学サポートプログラムを通して、琉球大学教育学部宮城政也先生にメンタルトレーニングを依頼。専門的な内容をわかりやすく講義してくださり、選手に変化が現れている。小さな気づきが意識改革に繋(つな)がり、選手の行動変容が促進される。指導者にとって心強いサポートだ。
(永井敦、那覇西高校水球部監督)