<南風>海の運動会


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 まもなくハーリーの時期がやってきます。今年は17日がユッカヌヒーです。

 私たちは2001年から南城市の馬天ハーリーに参加させてもらっています。津波古地区の皆さんが主催です。事前の清掃、テント張り、会場作り、進行すべて地元の方々の協力で行われます。当日は漁船に大漁旗が揚がり、出店も出て賑(にぎ)やかです。お孫さんの応援をする方や中学の同窓会の集まりなどたくさんの人たちが集い「海の運動会」と呼ぶにふさわしい祭りです。

 1回目のチーム紹介文は「私たちは居眠りをこいだことはありますが、船を漕(こ)いだことはありません」という文句でした。舵(かじ)取りのおかげで無事漕ぎはしたものの、よちよち歩きに等しく、もらった賞は「かわいかったで賞」です。それでも懲りずにここ数年は2チームが参加しています。

 競技はちびっこ、津波古地区の班、女性、職域の部に分かれており、珊瑚舎は職域の部に出場します。チーム編成は小・中・高・スタッフが一緒で男女混合ですから、職域の地元青年会や空手道場の人たちと一緒に闘うのは大変です。力の差が歴然としています。そこは練習とチーム力でカバーです。試合は一発勝負のタイムレース。上位3チームが決勝戦に進みます。みんなの願いは決勝戦に2チーム一緒に出場することです。まだ夢の段階ですが、夢を持ち続ければ叶(かな)うはずです。

 ハーリーで大切なことは、力の差を克服し全員の櫂(かい)が揃(そろ)うことです。そのことが速さと美しさを生み出します。珊瑚舎では昨年から「くーじぢゅらさぁ」(櫂を漕ぐ美しさを体現している人)認定書を作りました。その年の漕ぎ手の中で櫂捌(さば)きの美しい人を佐敷漁業組合長さんに選んでもらいます。速さだけがハーリーの魅力ではありません。

 今年も10分間の朝練、体幹トレーニングが始まりました。
(遠藤知子、珊瑚舎スコーレスタッフ)