<南風>熱きドラマ 県高校総体


社会
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 沖縄県高校総体の熱き戦いが幕を閉じた。高校3年間集大成の場で、各競技さまざまなドラマがあっただろう。勝利を目指し、この日のために頑張ってきた。チームメイトと共に泣いたり笑ったり、思うように結果が残せない自分に落ち込むようなことも。しかし、そんな経験が高校生を成長させる。成果は人それぞれ異なるが、昨日までとは違う新しい自分に出会ったとき、自らの成長を実感し、自分に自信が持てるようになる。自分の存在をありのままに受け入れられると、自己肯定感が高まり、他者との関わりも豊かになる。スポーツを通して高校生が成長し、自ら考え行動する姿を見ると、指導者の一人として、スポーツの持つ力に感動を覚えるのだ。

 熱きドラマはプールやコートの中だけではない。それは、大会を運営する本部や審判陣、選手を支える家庭内でも展開される。選手がベストの力を発揮できるよう、円滑な運営を目指して大人も頑張っているのだ。天気、会場のコンディション、選手の体調、運営人員の確保、予算や広報の調整、緊急時の対応など、慎重に検討する。家庭では、天候に合わせた弁当作りや会場への送迎・応援方法など確認することがたくさんで、家族協議もあっただろう。競技役員や家族の皆様、本当にお疲れさまでした。

 高校総体に関わった全ての高校生には、大会が無事に開催された喜びと感謝の気持ちを忘れないでほしい。そして、代表権を獲得し九州・全国大会に向けて練習を続けている選手には、本県代表選手としての自覚と誇りを持ち、全国に沖縄旋風を巻き起こしてほしい。

 那覇西高校・那覇商業高校水球部も7月7~8日、奥武山プールで開催される九州高校総体に出場する。全国制覇を目指し、熱きドラマはまだまだ続く。応援よろしくお願いします。
(永井敦、那覇西高校水球部監督)