<南風>100年ライフの設計図


社会
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 趣味のマラソン歴はもう30年、故障もせず楽しく続けている。ゆっくり長く走るのが好きで、1回だけ参加した100キロマラソンも制限時間内にゴールできた。驚いたのは、年齢を重ねた方が多いこと。人生の先輩方の姿に勇気づけられる。

 ベストセラーになった「ライフシフト」という本によると、人生100年時代に入り、考え方、働き方、生き方の変換期が訪れているという。何かを始めるのに遅いということはないと思う。私のマラソン仲間に、50歳から走り始め、60歳になってフルマラソンで4時間を切るランナーがいる。運動音痴だった私が宮古島トライアスロンを完走した話を聞いた60歳のMさんは、退職金で自転車を買い、水泳の練習に励み、宮古島トライアスロンに初挑戦し見事完走された。

 人間の体は常に新陳代謝が行われ、古き細胞は死滅し新しい細胞が作られ、血管も皮膚も筋肉も新細胞になって再生されることは周知の通り。体の一部である脳も同じこと。最近の脳科学の考え方によると、脳も筋肉などと同じように鍛えたり、習慣付けたりすると進化するという。年を重ねたから物覚えが悪くなったというのは勘違いで、脳も使い続ければ衰えることはないとのこと。

 4年ほど前、営業先のお客さまから「脳」の話を聞いてスイッチが入った。脳に関する本を読み漁(あさ)り、セミナーにも参加するようになった。脳の使い方を変えればいいことに気づいた。学習意欲に火がついた私は、今、放送大学で学んでいる。様々な年齢層の学友からも刺激をいただく。それぞれ目的をもって学んでいるが、社会人やシニア世代の方々の学ぶ姿勢は貪欲でとても輝いている。自分の人生シナリオの主人公は自分。明るく前向きな考え方を持ち続け、100年ライフの設計図をワクワクしながら描こうと思う。

(亀川智子、JTA客室乗務員 JALJTAセールス法人G長)