<南風>沖縄水球 これから


社会
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 年明けと同時に掲載が始まった私の拙文が、読んでくださる皆様に沖縄水球の現状や課題についてきちんとお伝えできるのか不安を抱えつつ、ついに最終回を迎えた。反響は大きく、多くの方々から応援と激励の言葉を頂き、部員・指導者一同、毎日の練習の励みとなった。

 沖縄で水球をメジャー競技にすることを夢見て、毎回原稿用紙に向かった。書き進めるうちに、沖縄水球は発展すると確信した。なぜならそれは、沖縄水球発展のために多くの方々に支えられていることを改めて実感したからだ。

 教え子たちが頑張っている。仕事を持ち多忙な中、時間を調整して小中学生チームの指導を引き受ける。県内各地のスイミングスクールで水球コースを開設し、コーチとして奮闘する。専門学校生や大学生として勉学に励みながら、アルバイト代をやりくりして県外大会の応援に駆けつける。選手が試合に専念できるよう、炎天下で汗を流し競技役員として大会運営に携わる。そんな水球ОB・ОGたちが支えてくれる沖縄水球の展望は明るい。

 部員が少なくプールが閑散としていたあの頃を思うと、練習拠点である那覇商業高校屋内プールに多くの小中高校生が集う今、活気あるこの景色が奇跡のようにさえ感じられる。やりたいことができる環境は、決してあたりまえではない。恩師、上司・職員、先輩・後輩のご指導やご支援、家族の理解のおかげだと肝に銘じたい。そして何より、水球をやってみたい、させてみたいと思ってくれる子どもたちやその保護者の方々がいてくれるからこそ、沖縄水球の発展があるのだ。

 2019年度全国高校総合体育大会・南部九州総体水球競技大会が来年8月に奥武山公園屋外プールで行われる。チーム一丸となって優勝を目指す。最終回までありがとうございました。
(永井敦、那覇西高校水球部監督)