<南風>苦手を引き受けた理由


社会
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 あぁ、またやっちまった。というのが、今の私の心境。出張中の機内でこのコラムを書いている。というと、移動時間を使いながら、サクサクと執筆しているように聞こえるだろうか。実際は、何日も前から下書きにもならないメモを書き始めてはやめるということを繰り返し、締め切り直前になったので慌てて書いているのである。それですんなり書けるといいのだが、なかなか進まずに最終的には徹夜して入稿するというのがおきまりのパターンだ。

 文章を書くのは苦手。上手に表現できずもどかしい思いをすることも多い。そして極めて遅筆。それなのに、なぜ「書く」仕事を引き受けてしまうのか。自分自身不思議に思うがきっと理由はある、引き受けた時の気持ちを思い起こして考えてみよう。

 そうだ。私は書くことのみならず、これはやった方がいいんじゃないか、と思うと後先考えずに引き受ける癖があるようだ。現在勤めている若狭公民館では、面白いアイディアが持ち込まれることが多い。当然すべてに応えることはできないが、実現した時のことをイメージするとワクワクが止まらなくなって、つい「ちょっと無理してでもやってみようかな」と思ってしまうのである。私のその悪い癖に振り回される職員はたまったもんじゃないだろう。とはいえ、職員をブラックな状況にするのは避けなければならない。

 面白いことをしたい。でも実現するにはマンパワーや専門性が不足している。そういうことは多々ある。そういう時は大きな声で「助けてー」というようにしている。すると必ず誰かが助けに来てくれる。

 若狭公民館の周りには、ワクワクを実現させるために協力してくれる魅力的な人がたくさんいる。ここではその魅力的な人や出来事を多く紹介したい。そう思って引き受けたのだった。
(宮城潤、那覇市若狭公民館館長)