<南風>かりゆしウエアと沖縄愛


社会
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 7月は恒例の「県産品奨励月間」だ。さまざまなイベントやフェアなどがあり心躍る。私の周りにも、「うちなーむんを食べたり、使ったりすると元気になる」という人が多い。この十数年で急速に普及したうちなーむんといえば、かりゆしウェアだろう。

 かりゆしウェアは、観光を発展させようとハワイのアロハシャツを参考にスタートしたと聞く。その目的通り、リゾート・イメージづくりに大きく貢献しているようだ。台湾人の知人が来沖した時、那覇空港に着いた途端に、色鮮やかなかりゆしウェア姿の人たちに囲まれ、「華やかな気持ちになった」と語っていた。

 だが、かりゆしウェアがここまで普及したのは、単に、「観光のため」という理由に留まらないと思う。もちろん、着心地の良さや、手入れの簡単さもあるだろうが、根っこには、うちなーんちゅの「沖縄愛」があるように思う。沖縄で育まれた服を着ること自体が心地良いのではないか。

 人気のある植物柄をはじめ、伝統工芸柄。なかにはヤンバルクイナやジュゴン柄など。着ている人のこだわりが伝わってくることもあり、道行く人のかりゆしウェアを眺めるのも楽しい。

 ただ、個人的に最近悩みが……。以前、かりゆしウェアを販売する会社で働いていた時、女性の客から「着てみたいけど、細身で、若い子向きなのよね」との意見をいただいた。当時は「そうなのか」と聞いていたのだが、年齢を重ねるうちに、その気持ちが分かるようになってきたのだ(笑)。

 近頃は、ゆったりタイプも出てきているし、同年代や先輩世代でもすてきに着こなしている人も多い。でも、もっと「着痩せかりゆしウェア」のような新作がいろいろ出てくるとうれしい。そうなると、潜在的かりゆしウェア・ファンの購買意欲も、大いにくすぐられるのではないだろうか。
(照屋みどり、しまんちゅスクール代表)