<南風>最高の仲間と過ごした夏


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 全国高校総合体育大会で沖縄の高校生の活躍が連日新聞で大きく取り上げられている。高校生の白熱した試合のニュースに、かつての自分を思い出した。

 高校生活のほとんどをバレーボールに注いでいた私にとって、高校総体は最大のビッグイベント。高校最後の夏は、美ら島総体以来2年ぶりの全国大会出場を目指して力が入っていた。

 第2シードの私たちは初戦から苦戦しながらも決勝戦に進出した。相手はライバル西原。同高にはこれまで何度も負けており、超えられない壁でした。

 善戦の決勝戦で、私はスパイクの着地に失敗し、膝の靭帯(じんたい)を断裂。私はプレーを続けることができずコートを離れ、チームは敗戦。優勝することはできなかった。

 優勝を目指していただけに、けがで終わったという現実を受け入れられない私は、チームへの罪悪感から、その後の練習にもなかなか顔を出せなかった。そんな私に、変わらず接してくれたチームメート。いつも明るい仲間のおかげで、落ち込んだ気持ちを立て直すことができた。

 全国大会は優勝チームのみだが、九州大会には上位2チームが出場できる。「最後まで全員で戦おう」と言ってくれたチームメートのおかげで、私はマネージャーとして大会に同行することができた。「もう一度、コートに立ちたい」と思うようになり、大学でもバレーボールを続けることにした。

 けがで決勝戦を最後まで戦うことができなかった私。最悪な高校総体で終わると思っていた最後の夏が、チームメートのおかげで思い出深い最高の夏となった。

 この夏、高校生の一つ一つの試合に多くのドラマがあったと思う。仲間と戦った日々が高校生活のかけがえのない思い出となることを願っています。
(仲本百合香、ミス・スプラナショナル2018日本代表)