<南風>チャンス到来


社会
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 私が南風の執筆のために机に向かっている姿は、不思議な光景である。自分でも思わず「クスっ」と笑いがこぼれる。

 私を知る友人たちは「野球しかしらない砂川が…」と思っている人も少なくない。

 5日に第100回夏の全国高校野球選手権大会が開幕した。開幕前から甲子園で活躍した歴代のスター選手や名勝負も連日NHK、民放問わず放映されている。皆さんにも思い出に残る選手、名勝負があると思う。私は1976年夏の大会に栽弘義監督(故人)率いる豊見城高校の赤嶺賢勇投手(元・巨人)の活躍が最も印象に残る。

 少年野球の監督をしていた頃、チームの約束事を選手と話し合いで決め、実践することになった。縁あって私のもとに集まってくれた子どもたちに野球を通してあいさつ、感謝、そして凡事徹底ができる人、そのような人間力をつけていきたいとの思いがあった。

 中でも「人から何かお願いされた」ときには「チャンス到来」ととらえ一生懸命やろうと教えている。現在行っている企業や社会人などへの講話でも同じだ。

 チャンス到来と「笑顔」で引き受ける。そうすると、次は自分にもっと大きな「幸せなお願い」が回ってくると。しかし、それを断ったり、面倒くさがって逃げてばかりいると、小さなチャンスも巡ってこない。

 これを子どもたちに伝えながら、私自身にも言い聞かせている。そのおかげでいろいろな所から講演の依頼があり、素晴らしい方と出会う縁を頂いた。

 私の体験談ともいうべき、4人の子どもを甲子園へ送り出した「黄金の5カ条」という演題も、その中から生まれた。モットーは「上手、下手関係なく一生懸命やる」。

 南風の執筆はまさしく私の「チャンス到来」となった。
(砂川正美、夢サポーター)