<南風>「睡眠障害」に注意を


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 米国睡眠医学会の睡眠障害国際診断分類第3版によると睡眠障害は(1)「不眠症」(2)「睡眠関連呼吸障害」(3)「中枢性過眠症」(4)「概日リズム睡眠・覚醒障害」(5)「睡眠時随伴症」(6)「睡眠関連運動障害」の六つに大きく分類される。

 「睡眠関連呼吸障害」で有名なのが、睡眠中に呼吸が止まり眠りの質が悪化する「睡眠時無呼吸」だ。睡眠時無呼吸の閉塞(へいそく)型は、肥満などで気道が狭窄(きょうさく)することが主な原因となる。太った中高年の男性に多いが、痩せていても骨格の問題で呼吸が止まることもあるため注意が必要だ。

 「中枢性過眠症」は病的な眠気を呈する睡眠障害で「ナルコレプシー」が有名な疾患だ。ナルコレプシーの典型例では笑った時やびっくりした時などに体全体の力が抜ける情動脱力発作を伴うことがある。

 「概日リズム睡眠・覚醒障害」はさまざまな原因で体内時計のリズムが乱れる睡眠障害だ。特に若者に多いのが生活習慣の夜型化に伴う「睡眠覚醒相後退障害」で、夜間の寝つきは悪いが朝は起きれなくなる。

 「睡眠時随伴症」は寝ている間に異常行動を伴う睡眠障害で「睡眠時遊行症(いわゆる夢遊病)」が有名だが、これとは別に「レム睡眠行動障害」という睡眠時随伴症は夢に左右された暴力的な行動がけがの原因となることが多い。

 「睡眠関連運動障害」で有名なのが「レストレスレッグス症候群(別名・むずむず脚症候群)」。その名のとおり夜間に下肢がムズムズする不快感で眠れなくなる睡眠障害だ。他に「周期性四肢運動障害」も四肢の不随意運動(勝手に動くこと)で不眠の原因となる。

 「不眠症」以外にもさまざまな睡眠障害があり、放置すると健康をそこねたり日常生活に支障をきたす原因となるため、眠りに異常を感じたら睡眠専門医療機関の受診を勧める。
(普天間国博、嬉野が丘サマリヤ人病院 睡眠専門医・医学博士)