<南風>私を変えてくれた“言霊”


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 私の高校時代のチームメイトはとてもポジティブで明るい人たちばかりです。彼女たちには私はこれまで何度も助けられてきました。

 県外の大学に入学した当初、私は慣れない環境での生活と厳しい練習で、心身ともにダメージを受けていました。何度も「大学なんてやめたい」。そう思いました。

 そんな私の異変に気付いた高校のチームメイトがある日連絡をくれました。私は、今までとどめていた不安や迷い、そして愚痴を吐き出しました。彼女は何も言わずにただ話を聞いてくれ、そして、私が話し終えた後に、こう話しました。

 「百合香、言霊(ことだま)って知ってる。言葉には魂が宿っていて、自分が発した言葉は霊として生きているんだって。百合香は不安も迷いもたくさんあるけど、それ以上に『こうなりたい』って思うこともたくさん持っているんだよ。それを一つずつ言葉にしていってごらん。そしたらきっとその言葉に宿った魂が百合香をその道に導いてくれるよ。だから、今日からどんどんいい言葉を発していってごらん」

 彼女のその話は、今までマイナス思考だった私の考えを変えてくれるきっかけになりました。意識的に言葉を選んで話すようになり、行動が変わり、そして気持ちまで変わりました。

 言霊を信じて前向きな言葉を発していくことで、私は今まで閉じこもっていた殻を破ることができました。毎日の生活も楽しくなり、交友関係も広がりました。今までは躊躇(ちゅうちょ)して挑戦できなかった世界にも、飛び込む勇気を持つことができ、たくさんのチャンスやいろいろな方との出会いに恵まれました。

 あの時、言霊を教えてくれ、その後の私の生き方を変えてくれたチームメイトに感謝しています。

 皆さんも「言霊」を信じてみませんか。

(仲本百合香、ミス・スプラナショナル2018日本代表)