<南風>平成最後の夏


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 今年の夏は日本列島が異常な暑さ、大雨など異常気象に見舞われた。気象予報士やニュースキャスターからは「命に関わる危険な暑さ」、「命に関わる危険な大雨」と言われる用語まで使われた。

 今年の夏の甲子園大会は、天候に恵まれた。多くの話題もあり、観客動員数は初の100万人を超えた。100回記念大会とあって、かつて高校野球で活躍したレジェンドによる始球式という演出効果もあったかもしれません。

 星稜高校が登場した開幕試合戦には同高OBの松井秀喜(元ヤンキース)さんが始球式を行った。また、運命の巡り合わせか金足農と日大三高の始球式には1984年に金足農の対戦したPL学園(当時)の投手だった桑田真澄(元パイレーツ)さんがマウンドに立った。

 100回大会は各試合にドラマがあった。決勝戦は記念大会にふさわしく記録に残る対戦だった。史上初の東北勢優勝か、または初の2度目の春夏連覇か。全国の高校野球ファンが金足農を応援してたことでしょう。しかし、さすが大阪桐蔭、実力の差を見せ付け、栄冠を勝ち取った。

 先日、友人の息子が出るというので「海を越えた挑戦者たち」を観劇しました。60年前の首里高野球部の話です。

 当時アメリカ領土だったた沖縄は、首里高部員が持ち帰った甲子園の土を、船中で海に捨てなければならい悔しい思いをした。そのような苦難の時代を経て、県内の高校野球は全国強豪県の仲間入りをした。

 沖縄水産高の2年連続準優勝、沖縄尚学の県民悲願の初優勝と2度目の優勝。興南高校の春夏連覇と続いています。60年前の首里高校の小さな1歩から始まり、平成最後の夏も終わろうとしています。

 次の夏、どんな夢舞台が待っているのかワクワクが止まりません。
(砂川正美、夢サポーター)