<南風>学校に行かない選択肢も


社会
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 子どもは学校に行かなければならないのだろうか。夏休みが終わり、学校が始まったところだろう。これを機に一度学校に行く意味を考えてみてはどうか。

 私は子どもたちの将来の選択肢を増やしたい。たくさんの選択肢を知った上で自ら進む道を決めてほしいと思っている。今までの学校教育の現場では人と違うことを避ける傾向にあると感じている。それでは自分の好きなことが十分に伸ばせないのではないか。

 海外では、子どもが得意なこと・好きなことを伸ばす教育がなされている。例えばプログラミングが好きな小学生がいて、学校のどんな科目の時間中でもプログラミングをずっとしてもいい、というような環境が整っているのだ。

 いろいろな生き方を認め多様性を生み出すことが大事なことはわかっているだろう。大人になると多様性を求められるのにもかかわらず、子ども時代に環境に同調することや限られた選択肢の中で生きることで多様性は育まれるだろうか。

 私は大学生になって、留学やいろいろな人と関わるようになって自分の選択肢の多さに気づいた。もっとこの選択肢を早く知っておけばよかった、という体験から民間の立場で教育に携わり、教育の多様性を増やすために子どもたちに学校とは違った教育・選択肢を提供している。学校教育で学ぶことも重要であるため、学校と協力して教育の多様性をもっと日本に広げ、子どもたちが自分の教育を自由に選択できるような社会を実現したい。

 大人が子どもの進路を決めるのではなく、子どもたちが自分はどうしたいか考えられる教育をすることがこれから大切だと考える。子どもにもたくさんの選択肢がある。大人の価値観でそれを狭めるべきではない。大人の当たり前は子どもにとっては当たり前ではない。人生は人それぞれだ。
(畑中ひらり、株式会社FROGS取締役)