<南風>自信は美徳


社会
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 「自信は美徳である」。私が昔から母に言われ続けている言葉です。幼い頃から負けず嫌いだった私は、何でも「今よりももっと上手くなりたい」と思っていました。向上心がある子だねと言われることも多かったのですが、自分の現状にいつも満足できないでいた私は、自己肯定感が低く、何か上手くいかないことがあると「どうせ私なんて」と自分を卑下してしまいがちでした。そんな私に母は「自信は美徳なんだよ」と言い、自信を持つように言ってくれました。

 でも、ミス・スプラナショナルの日本代表になるまでは、自信は美徳だと言われても、自信なんて目に見えないものが、なぜ美徳なのか全く理解できずにいました。

 沖縄代表として日本大会への出場が決定したものの、ミスコンの経験が浅い私は、自分をアピールする表現力や、メイク、ファッションなど、一から勉強し始めました。他のファイナリストに追いつこうと必死でしたが、自信なんてないし、自分が勝てるなんて思えませんでした。それでも「ベストを尽くしたい」と、誰よりも強い気持ちで大会に挑みました。

 そのおかげで本番のステージで「あれだけやってきたのだから、あとはベストを尽くすだけ。楽しむだけ」と思うことができました。私にはこれまで一生懸命やってきたという思いがありました。それが自信となって、自然と表情や仕草に現れていたのだと思います。

 「どんなに着飾って、きれいに化粧をしている人よりも、自信がある人は、人を惹(ひ)きつける力がある。そしてものすごいパワーを発揮することができる。“自信をつけること”は、素晴らしいことで、自信がある人は、魅力的なのだ」

 自信は美徳だと言った母の言葉には、そのような意味があったのだと、今の私は理解しています。
(仲本百合香、ミス・スプラナショナル2018日本代表)