<南風>「覚悟」磨くシリコンバレー


社会
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 10日間のRyukyufrogsシリコンバレー研修が8月に行われた。

 研修では現地の起業家や投資家、エンジニアなどの人にお会いし、自分自身が感じている社会課題を解決するサービスをプレゼンテーションし、それに対してアドバイスをいただくということを何度も繰り返した。ただ会社に行って話を聞いて終わりではない。この10日間は過酷だ。

 特に研修では自主的に行動する人と受動的になってしまう人とでは得られる情報量やチャンスに大きな差が生まれる。チャンスはみんなにあるが、それを自分から能動的に取りに行くかはその人次第。学生には酷なことかもしれないが、社会はそのような流れでできている。

 学生の素晴らしいところはそれに気づいて、気づいた瞬間人が違ったように変化できるところである。ある学生は英語が苦手で、初めは現地で人に話しかけることを躊躇(ちゅうちょ)していたが、勇気を持って英語でのプレゼンに挑戦し成功させ、移動中の車の中でも運転手に話し掛け、英語に対して抵抗がなくなった様子だった。

 また、ビジネスの最先端で働いている方々に自分のサービスをぶつけるので、厳しい意見もたくさん返ってくる。本当に自分はこの課題を解決する覚悟はあるのか、自分が覚悟を持ってやることは何なのか。何かを大きく変える時はたくさん反対意見が出てくるだろう。その時に覚悟がないと社会を変えることはできない。普通の学校生活では覚悟は問われないだろうが、その覚悟をして何かに挑戦することで、人として大きく成長するように思う。もちろん今すぐ学生に覚悟を持てとは言っていないが、今後の道を自分で決めていく上で自分は何に対して覚悟を持てるかは大事な要素になってくると思う。あなたにとって、覚悟を持ってできることは何だろうか。
(畑中 ひらり 株式会社FROGS取締役)