<南風>カナダ研修


社会
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 カナダでの研修2カ月間では多くの驚きと示唆の連続でした。最初に研修が始まる時、カナダ人のコーディネーターより尋ねられたのが「何がしたい」との問いかけでした。

 カナダでは、私たち研修する側の求めに応じてコーディネーターがまさにコーディネートするスタイルでした。

 この日本との違いに、まずカルチャーショックを受けました。

 私はすかさず「沖縄の文化体験授業と各種学校の見学」をホームステイ先のデニス校長に申し出ました。また小旅行をしたい事も伝え、5人各自の研修とカナディアンロッキーへの3泊4日の旅行が実施されました。国の教育制度は各国の風土および文化等に応じ長い歴史をかけて構築されるものです。ですから単に教育制度を比較することはできませんが、私たち団員が一応に感じたのはカナダの「ゆとり」でした。

 私の研修先のバーロウクリーク小学校は児童数200人、職員数13人の小規模校で教頭の配置はなし。隣の小学校は公立フレンチイマージョンスクールでフランス語での授業を行い、しかも校長は20代の女性でした。

 カナダの学校での「ゆとり」は教員が授業に専念できるよう必要に応じた専門職の配置があったのです。小学校へも9人の配置があり音楽専科や言語指導員、清掃員、またカウンセラーは日頃の悩みから進路指導まで対応。給食は無く教員の休憩中には2人の専門指導員の配置等システム化されていました。さらに学校へのボランティアの導入も積極的でした。

 特別支援教育は、既にインクルーシブ教育がなされ1人の子どもに対し1人の支援員の配置が確立されていました。

 カナダの大自然のもと、団員皆でエイサーやカチャーシーを踊りました。
(西永浩士 名護特別支援学校長、県特別支援学校体育連盟会長)