<南風>一流を目指す


社会
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 私の母は、私のターニングポイントでいつも的確な助言をしてくれます。そんな母の言葉で、私がとても印象に残っている言葉があります。「一流を目指しなさい」という言葉です。

 大学生の頃、側彎(そくわん)症の手術を受けてなかなかプレーヤーに復帰できなかった私に、チームから選手ではなくアナリストになってほしいという話がありました(アナリストとは、対戦相手のチームを分析する人のこと)。しかし私は、選手として復帰することを考えていたので、すぐに返事をすることができず、その悩みを母に打ち明けました。

 母は「必要とされているなら、アナリストとしてチームに貢献しなさい。そのかわり、一流を目指しなさい。経験は決して無駄にはならないよ」と言いました。その時、私は「どんな立場でも胸を張れる『一流』になろう」と思い、アナリストを引き受けました。しばらくの間アナリストとしてチームの裏方にまわりましたが、その後、私は選手として復帰することになり、大学最後の大会では試合にも出場することができました。ピンチサーバーではありましたが、アナリストをした時に得た知識で相手の弱点を見つけ、プレーに活(い)かすことができました。それは、アナリストとして一流を目指した私だからこそできたプレーでした。

 ミス・スプラナショナル2018日本大会でグランプリに輝いた時も、母は「今回グランプリになり、一番になれたからといって一流になれたわけではない。日本代表になったからこそ常に一流を目指しなさい」と言いました。何をするにも一流を目指しなさいという母の言葉は、いつも私を奮い立たせてくれます。

 皆さんも何かで一流を目指してみませんか。一流を目指して自分を磨き続けた過程で得たものは、きっと人生の大きな財産になると思います。
(仲本百合香、ミス・スプラナショナル2018日本代表)