<南風>継続は力なり


社会
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 高校生の時、YouTubeで見たエドシーランのライブ映像に衝撃を受けて始めたループペダル。ギターを叩(たた)いた音や、弾いた音、コーラスなどを足元に置いてあるループペダルという機械を使いながら多重録音して、トラックをステージでリアルタイムに作っていくというクリエイティブな演奏スタイル。今年のアルバムツアーで全国15カ所をループペダルで公演できるようになるまで、何度も壁にぶつかってきました。

 最初の頃は靴でペダルを踏めず、裸足でステージに上がっていたこともあります。ライブ本番、練習を含めて数え切れないほどの失敗もしました。ライブで機械操作を誤ったり、違う音程でギターを録音してしまったり、必要ではない音が鳴ってしまったり。

 「プロなんだからやるんだったらしっかりして」と怒られたこともあります。「もうやりたくない」と札幌空港の片隅にループペダルを置いて帰ろうとしたこともあります。

 恥ずかしい思いや、悔しい思いをしながらも私のことを信じてくれている人がいることに気付いたり、心の奥底で自分が表現したい音を届けられる日が来るはずと期待してる自分がいました。

 「失敗は成功のもと」。この言葉はいつも勇気づけてくれました。どんな精神状態、条件の時に失敗してしまうんだなということを知ることに成功しているんだと思えば、全てのことに意味があると思えてきます。「ループ」という言葉は繰り返すという意味があります。最初から完璧にこなせる人間はいません。失敗から学ぶことは多く、やり続けることの大切さを実感しました。失敗してもやり続けることができるあなたには才能があります。ループペダルのように繰り返し続けることで、あなたの努力が積み重なってやがて大きな力に変わるのです。
(Anly、シンガーソングライター)