<南風>やるか、やらないか


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 「やるかやらないか。人生はシンプルにその二つ」。私が大事にしている言葉だ。人財育成プログラムRyukyufrogsのスローガンでもあり、Ryukyufrogsに出会ってこの言葉の意味を体感した。

 frogs8期生の時、シリコンバレーから帰国した後、協賛企業にシリコンバレー研修成果を発表する帰国後報告会というイベントが開催された。そこで同期の当時中学3年生のメンバーが言った言葉がとても強く印象に残っている。

 「私はこれからできるかできないかで物事を判断するのではなく、やるかやらないかで判断していこうと思います」。確かに過去を振り返ってみるとできる・できないでいろいろなことを判断していた。一番大事なことはそれを自分がやるかどうか、と気付かされた瞬間だった。

 昨年起業してから新しい仕事に挑戦する機会が増えた。新しい仕事が来たとき、私は面白そう、やってみたいと思ったらすぐに「やる」と答えるようにしている。過去の経験でやるかやらないか選択するときに迷ってしまい、なかなか前へ進めず、結局「やらない」という選択を繰り返していた時期があった。深く考え込んでしまうとマイナス面がたくさん見えてきて動き出すことができなくなってしまうのだ。しかし、一度勇気を出して一歩踏み出してみると世界が広がり、たくさんの出会いがあり、また新たな選択肢が増えた。

 時には「やらない」という選択も必要となる。ずっと「やる」を選択し続けると心も疲れてくる。「やらない」ことも選択肢の一つなので、その時の自分のコンディションを見極めて選択することが大事だ。

 長年迷っていることはないだろうか。できないだろうと思って諦めていることはないか。小さな一歩でもいい。思い切って一歩踏み出してみてはどうか。
(畑中ひらり、株式会社FROGS取締役)