<南風>魔法使いの言葉


社会
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 「お父さん甲子園に行って活躍したい。どうしたら甲子園に行けるか教えて」と幼い子たちが真顔でお願いしてきた。

 そんな彼らの瞳、表情を見て不思議なことが起きたのです。私が一瞬にして魔法使いに変身したのです。「夢をかなえるためには五つの約束事を守らねばならぬ。それを守ることができるか」。私の言葉に彼らは引き込まれ真顔で「守る」と返答した。

 あの時「そんなこと父さんがわかるか」と、魔法使いになり切れなければ、今はなかったと思います。一番最初に夢を持つことの大切さ、そして、それを文字や写真に落とさせること、そのために計画を立てさせ、目標をいくつも設定させることを伝えました。

 小学生の子どもたちには、計画とか目標設定等の難しい言葉は一切使わず、質問を投げ掛け、受けた質問には答える。ということを繰り返し心で理解できるように心掛けました。そして夢を達成した時のことをイメージするんだとも伝えた。「ガッツポーズを決めてる姿、大勢の応援団の目の前でホームランを打ってる姿など、自分勝手に自由に楽しいことを想像するんだ」と。

 当時、わが家の子ども部屋の壁は、野球に関する貼り紙だらけでした。(今でもあの頃のグローブ、ユニホーム、メダルが飾られた野球部屋)。

 先日、90代の女性にお会いしました。「夢なんてもうこの歳だから…」とおっしゃいました。しかし20~30分談笑させてもらいましたところ、この女性が「私にも夢ができたわ、2年後の東京オリンピックをこの目で見る」と。

 「夢」にはそれをかなえようとすることで人を成長させる力があるんです。積み重ねたことは無駄にはなりません。だから私はみんなに夢を持ってほしいと思ってます。次回へつづく。
(砂川正美、夢サポーター)