10月28日、南米ペルーの首都リマで、西原町字小波津からペルーへ移民した人々の節目を祝う「ペルー字小波津親睦会創立100年」の祝賀会があった。
その小波津にルーツがある、ペルー出身で県系4世の小波津ウェンディ清美さんが、西原町海外移住者子弟研修生復活第1号として滞在中だ。研修は2カ月。琉球舞踊や箏などの専門研修の他に、小中学校でペルーの文化や移民の歴史を紹介したり、公民館でスペイン語講座やペルー料理を教え町民と交流している。
彼女は2017年度の県費留学生で県立芸術大学で組踊や琉球舞踊などを学んだ。「難しいことばかりです」と言いながら、踊りのことを話す時の彼女の目はいつも輝いている。
「上手に踊れるようになりたい」と彼女は会うたびに言う。そのためには舞台に立つのが一番だろう。
去年、彼女は、首里城で開催された「中秋の宴」で「かぎやで風」を踊った。
「中秋の宴」は、冊封使をもてなした琉球王朝時代の行事を再現したものだ。首里城正殿前に設けられた舞台で、人間国宝や県芸の学生らと共にたくさんの拍手をもらっていた。
先月、来沖して間もないにもかかわらず、西原町文化祭で「上り口説」を披露した。場内アナウンスで、これから踊るのはペルーから来た研修生だと紹介されると会場が静まり返った。そして堂々とした舞に大きな拍手が送られた。
彼女は、現在、来週に迫った修了式で踊る「下り口説」と「むんじゅる」、そして箏の稽古に励んでいるという。それは、西原町でお世話になった方々への恩返しの舞台になる。
来年の10月、ペルーでは西原町人会100周年記念式典が開かれる予定だ。彼女はきっとその時も、歴代研修生と共に活躍することだろう。ペルーで舞う彼女の姿を見てみたいものだ。
(新川美千代、切り紙作家)