<南風>メンタル強化


社会
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 スポーツは、技術トレーニングだけでなく、食事やメンタルのトレーニングも重要だ。よく、メンタルが強い、弱いと表現するが、メンタルは育った環境や経験によって培われる部分が大きく、心身の体調にも左右される。しかし、トレーニングによってコントロールできるのもメンタルである。今日は、私がメンタル強化のために心掛けていることを二つ伝えたい。

 私は、元来メンタルが強いほうではない。メンタル強化に有効なのは、「マイナス思考」を「プラス思考」にシフトすること。そのためには、常にいいイメージを描き、言葉で脳に一つ一つ繰り返し言い聞かせる。

 言葉にはすごく力がある。言葉がイメージとなり、体が動く。この繰り返し。「信じる者は救われる」という言葉がある。言葉のとらえ方は、人それぞれだが私はあえて「自分を信じるものは救われる」と言いたい。

 最後は「自分を信じる」に尽きるのだと思う。「できる」「できる」「できる」と唱え、自分を信じることで不安に打ち勝ち、言葉とイメージが自然と自分自身の背中を押してくれている。だからこそ、何事も「私にはできない」と決めつけるのではなく、まず、自分を信じてチャレンジすることを心掛けている。

 もう一つは「感謝」の気持ちを持ち続けること。今、ボクシングができていること、皆さんに応援してもらっていること、ファミリーマートで働けていること、そしてこのように新聞コラムに挑戦させてもらっていること、すべてに感謝している。自分を取り巻く周囲への感謝の気持ちは、自分を律してくれるし、覚悟を与えてくれる。この気持ちは自分を前向きに、メンタルを高めてくれる。

 この二つのことを意識することで思考が習慣化し、試合の時に強い気持ちで戦うことができるのだ。

(平安山裕子、OPBF東洋バンタム級女王)