<南風>沖縄だからこそ


社会
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 先日、私は25歳になった。阪神淡路大震災の1年前に神戸市で生まれ、四半世紀生きた。25年前と今とではいろいろなことが違う。阪神淡路大震災の時はあまり携帯電話が普及しておらず、家族や大事な人が生きているか簡単にわからなかったと母から聞いた。

 そこから携帯電話が普及し始め、今やスマートフォンでいつでも世界とつながることができる。自分の年齢と照らし合わせて考えると技術や社会の進歩は著しく早いと感じる。

 30年前と現在の企業の時価総額ランキングを見た。30年前はトップ50のうち32社が日本の企業だったのだが、現在は1社しかトップ50に入っていない。これを見ると日本の勢いはなくなっているのだろう。これからの若者は東京を目指すのではなく、もっと世界を目指すべきだと考える。

 LEAP DAY(リープデー)という沖縄発のイノベーションイベントが12月に那覇市で開催される。 なぜ沖縄でそのようなイベントをやるのか。沖縄に世界の最先端で活躍する方々を集め、沖縄の方々に世界を感じてほしいからだ。それに感化された若者は世界を見るために沖縄を出るかもしれない。沖縄を出る若者が増えると若者が減ってしまい良くないと考える人もいるだろう。しかし私はそうは思っていない。沖縄を出て世界を知った子どもたちが沖縄に戻ってきたいと思うような魅力ある沖縄を私たちが作ることが重要だと考える。

 現在、沖縄には文化や自然などたくさん魅力あるものがある。しかしビジネスはまだ成長するチャンスがあるのではないかと思う。ビジネス・伝統文化・自然が揃(そろ)うと、世界を見た若者がより戻ってきたくなる魅力的な沖縄になるのではないだろうか。沖縄は日本の南の端だけれども、沖縄だからできることが必ずあると信じている。
(畑中ひらり、株式会社FROGS取締役)