<南風>特別支援学校とキャリア教育


社会
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 県内には21校の特別支援学校がある。視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱の5障害に対応した教育課程を編成し、障害種に応じた教員免許を所有した教師が指導を行っている。入学の要件として、障害者手帳を有しているか医師の診断書が必要となる。学校ごとに対象とする障害種を定めており2390人の幼児児童生徒が在籍している。各学校では、障害種に応じた基礎的環境整備を行いバリアフリー化がなされ、学習環境が整えられている。

 一人一人の教育的ニーズを把握し、障害に合わせた合理的配慮を行いながら適切な教育活動がなされている。幼児児童生徒の実態は多様化している。通学では学校所有のバスを利用したり、徒歩や路線バスの利用者もいる。車いす使用者用のリフト付きスクールバスを所有する学校もある。

 近年は目覚ましい医療技術等の進歩もあり医療的ケアを要する子どもの在籍が増加傾向で、学校によっては看護師の配置もなされている。さらに指定された病院に入院している者を対象とした院内学級での学習も可能である。高等部卒業後の進路先も多様化している。大学、専門学校、職業訓練校等に進学する者。企業等へと一般就労する者。最近では、さまざまな機能を有した福祉事業所が増え福祉就労への選択も広がりをみせている。

 2017年度の一般就労率は30・5%と2年連続で全国平均を突破した。学校では、生涯を通して一人一人が質の高い人生を歩んでほしいとの願いからキャリア教育に力を入れている。第30回特別支援学校「キャリア教育・就労支援発表会」が12月6日名護市民会館で正午~午後4時、特別支援学校の生徒代表が就業・生活体験発表を行います。キャリア教育の展示、マフィン販売や喫茶サービス。清掃技能のデモンストレーションもあります。

(西永浩士 名護特別支援学校長、県特別支援学校体育連盟会長)