<南風>地域の魅力伝える


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 若狭公民館の今年一番のニュースは、3月に文科省の優良公民館表彰で最優秀館(グランプリ)に選ばれたことだ。日本一になったお祝いには、地域の方々や公民館利用者、若狭公民館に関わりのあるさまざまなな方が駆け付けてくれた。

 そのなかで行われた二組の余興が印象的だった。幕開けは、重要無形文化財保持者、玉城節子先生によるかぎやで風。なんとぜいたくな余興だろうか。ざっくばらんな祝賀会が格調高いものになった。玉城先生は若狭で生まれ育ち「自分は地域に育てられた」との思いから、常に地域行事に協力的で、公民館にも積極的に関わってくださる。公民館が地域の拠点施設として大事にされていることを感じうれしくなった。

 もうひとつは公民館で定期的に活動するハワイアンフラのサークル。リーダーの上原史子さんは、93歳。つややかな踊りで会場を魅了した。上原さんがフラを始めたのは還暦を過ぎてから。腰痛で悩んでいた頃、医者に勧められたことがきっかけだったそう。最近転んでけがをした際は、95パーセント治らないと言われたそうだが、再びフラを踊りたい一心でリハビリに励み見事完治した。生涯学習の意義をあらためて感じる。

 お二人の姿勢から、地域の生涯学習拠点施設である公民館の職員は常に学び続け、地域や社会に還元できるように努力し続けなくてはならないと教えていただいたように感じている。

 今年も終わろうとしているところで、もうひとつうれしいお知らせが届いたので報告したい。若狭公民館の広報誌『広報わかさ』が「第7回全国公民館報コンクール」で最優秀賞を受賞した。地域には素晴らしい人やすてきな出来事がたくさんある。その魅力を多くの人に伝えたいと職員みんなで工夫と努力を重ねてきたことが結果となって現れたことがうれしい。
(宮城潤、那覇市若狭公民館館長)