<南風>始まりがあれば終わりがある


社会
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 学校に入学すると卒業があるように、何かを始めると終わりがある。

 7月からコラムを書かせていただいた。今回が13回目の最終稿となる。正直、最初にこの話をいただいたときはうれしさよりも戸惑いが大きかった。なぜなら、私は自分の意見や気持ちを言うのが苦手だからだ。そこで、「どう書くか」を考えた時に、「上手(うま)く書く」ことよりも「素直な気持ちを書く」ことが自分らしく書ける気がした。自分が好きなこと、体験したことを書くことは、自分自身の過去を振り返ることで当時の気持ちを思い出し、新鮮な気持ちになった。周りから「コラム読んでいるよ」と声をかけてもらうことも多くなった。同時期に、テレビCMやラジオ番組への出演など、貴重な経験をさせてもらった。

 ダイエットで始めたボクシングだったが、プロボクサーとなり10年後にOPBF東洋太平洋チャンピオンになっていることなど、想像もつかなかったことだ。人は、5年後10年後にどうなっているかなど分からない。だからこそ、今を一生懸命に生きていればきっと何かが見えてくると私は思う。一生懸命やり続けた結果、タイトルを獲得して私の世界は変わった。さまざまなことにチャレンジするチャンスをいただき、ボクサーとしてだけではなく人として成長させてもらっている。

 ボクシングも始めた先には終わりがある。ボクシンググローブを置く日まで、悔いの残らないように突き進む。

 最後に私のボクシング人生にもう少しお付き合いください。応援してくださる皆さまの声援、ひと言ひと言が私の力になります。これからもよろしくお願いします。半年間、コラムを読んでいただき、ありがとうございました。この機会を下さった関係者の皆さま、感謝しています。
(平安山裕子、OPBF東洋バンタム級女王)