<南風>遠回りが私の人生


社会
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 12月7日、私はこれまでの人生の中で一番輝かしいステージに立ちました。世界大会の本番のステージでは、今の私の最大限の力を出すことができたと思います。本番までの3週間、一度に多くの国の代表と生活を共にすることで、それまで触れる機会がなかったさまざまな文化や価値観に触れることができました。それだけでなく海外の代表の自己プロデュース能力の高さを目の当たりにして、現時点での自分の意識や考え方など、足りない部分も知ることができました。そして、心の変化もありました。

 私はモデルやミスコンの世界での経験が浅い分、今まではどこか周りに対して引け目を感じていました。しかし、他の国の代表の「私は私。他の誰でもない」という自信に満ちた姿を目にしていくうちに、「経験が自分を成長させてくれる。今の自分に引け目を感じることはない。私は私」と思えるようになりました。さまざまなことに気づけたこの世界大会は、私の人生の大きなターニングポイントであり、貴重な財産となりました。

 日本代表になって半年。世界大会まで経験をした私。短期間で何もかもがうまくいったように思われがちですが、実は何度も回り道をしてきました。

 今回だけでなく、バレーボールに打ち込んでいた学生時代も、何度も回り道をしてきた気がします。でも、その回り道は決して無駄ではなかったと思っています。回り道をしたからこそできた経験がたくさんあるからです。すぐに役立つことばかりではありませんが、回り道をしたからこそ学べた事が後々私自身の力になると信じています。

 これから先も、きっと私の人生は回り道の連続だと思います。しかし、その遠回りの人生こそ、私の人生。これからも、回り道も楽しみながら、少しずつ成長していきます。
(仲本百合香、ミス・スプラナショナル2018日本代表)