<南風>職業としての競輪


社会
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 沖縄で競輪選手と聞いてもあまりなじみがないかとおもいます。競輪は公営競技の一つです。他に競馬、ボートレース(競艇)、オートレースがあります。私の仕事(職業)は競輪専用の自転車でレースを走り勝敗を競い賞金を稼ぐプロのスポーツ選手です。

 競輪選手は全国に男女合わせて2300人ほどいます。私が選手になったころは3500人ほどいましたがこの10年で千人ほど減りました。それでも日本のプロスポーツ選手数としては野球やサッカーよりも多いです。競輪はほぼ毎日複数の競輪場でレースが開催されるため、選手確保の観点からもある程度の人数が必要なのだと思います。

 全国に競輪場は43場あり、周長が1周333メートル、400メートル、500メートルと異なります。一番多いのは400メートルの競技場ですが、同じ周長の競輪場でもゴール前の直線が長い所や短い所など各競輪場で特徴の違いがあり、選手はその競輪場の特長も考慮しながら走ります。

 選手は競輪場のある都道府県の競輪選手会支部に所属してレースに参加しますが、競輪場のない沖縄の選手は鹿児島県、宮崎県の3地区と合同で日本競輪選手会、鹿児島支部所属の選手として登録されレースに参加します。

 沖縄を拠点に活動している選手は14人。昨年7月にプロデビューした新人が21歳、最年長は53歳です。沖縄出身者は8人います。現在の現役最年長は神奈川支部に所属する63歳の選手です。落車などによるけがのリスクも多いといわれる競輪ですが、選手寿命が長いのも特徴といえます。

 選手は月に2~3回全国で開催されるレースに出場しなければならず、一つの開催が3~4日間行われるので月に6~10回、年間では80~90近いレースを走ります。そのレースの合間に次のレースに向けてトレーニングに励んでいます。

(仲松勝太、プロ競輪選手)