<南風>アジアの希望目指して


社会
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 カギショウガツユンカイ、ンーナヌノウイス。ユゥーンカイナシフィーサマチ。美しい正月を迎え、皆さまにとって豊かで実りある年になりますように。

 昨年は台湾のグラミー賞と呼ばれる「金曲奨」を受賞したことがこれまで続けてきた音楽活動の成果として形になり、次の一歩を踏み出す良い年になりました。これまでにアフリカ、ヨーロッパ、アジアの国々で歌う機会をいただきました。それぞれの国での出会いや経験、新たな発見が糧であり財産です。

 私の芸名は宮古島の地名平良(ひらら)からきています。2005年の市町村合併により、生まれ育った旧平良市が宮古島市に変わるというタイミングでHIRARAと名乗るようになりました。宮古島とはどこにいてもへその緒のようなものでしっかりつながっていると感じています。本名は亜希子。父がアジアの希望の子になるようにと名付けました。名は体を表すといいますが、まさに自分がそれを人生の目標としていることに驚きます。

 本名と芸名共に父が名付け親で、二つの名前は私に力を与えてくれます。子どもの頃から父に「普通の女じゃない」と言われて育ちました。その通り。ガフッ(ぴったり)。私の人格を形成したユニークな家庭と個性的で人情味溢(あふ)れる島で生を受けたことはとても幸運です。先祖は何百年も昔から海を渡っていました。

 そのDNAと好奇心を持ってアララガマ(ハングリー精神)で突き進みます。夢は歌手としてアジアを中心に世界を舞台にすること。幼い頃から海の向こうにはどんな光景が広がっているのか想像していました。コラムでは宮古島や音楽活動、台湾や海外との交流などを書かせていただきます。宮古言葉は翻訳付き。琉球新報を愛読されている皆さまよろしくお願い致します。いざ出航。
(HIRARA(ひらら)宮古島出身歌手)