<南風>大きな翼広げてTake Off


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 夢と希望に胸膨らませ、輝く未来に向かって、今まさに大きな翼を広げんとする新成人の皆さま、おめでとうございます。できることならタイムマシンに乗って、もう一度20歳の自分に戻りたい…と願う私は現在55歳。東京で成人式を迎えた35年前は、聖子ちゃんカットの花の女子大生でした。その頃人気番組だった「スチュワーデス物語」とともに就職活動がスタート。そして幼い頃より世界を駆け巡りたいと願う私のもとに「サクラサク就職内定す」と電報が届きました。桜咲く季節には、憧れのスチュワーデスの制服を着て新社会人に。

 就職試験では、倍率250倍という難関を突破。数回に渡る面接の度に緊張感はどこへやら、和やかな中、面接官と沖縄談議にあれこれと花が咲きました。合格できたのは私がウチナーンチュだったことも要因の一つだったに違いありません。国際線客室乗務員として9年乗務し、世界40都市以上を飛び廻(まわ)りました。ちょうど時代はバブル全盛期。振り返ると、世界の国々の歴史や文化に触れたこと、何より人との出会いは私の宝物となっています。

 その中でも、世界の舞台で沖縄アイデンティティーを持ちたくましくも柔軟に活躍している力強いウチナーンチュの姿に誇りと勇気をもらいました。沖縄を俯瞰(ふかん)して見ると、独特の文化や伝統の素晴らしさ、自然の美しさ、ウチナーンチュの魅力を再確認できます。

 若者には沖縄を飛び出して、地球という大きなステージで積極的に自分を磨き、グローバルに活躍してほしいと願います。「大きな翼を広げ、輝く未来に向かってTake off!」沖縄の若者と今春社会人としてスタートする23歳のわが娘に向けてエールを送りたいと思います。私も若者に負けじと3度目の成人式に向け、食空間コーディネーターとしてまい進中。
(大木綾子、食空間コーディネーター)