先日、わが母校・那覇高校でズボンとスカートが性別に関係なく選べるようになるという記事を読みました。新制度導入の理由は性的マイノリティへーの配慮や利便性だそうです。実際に制服に苦しんだ経験を持つ友人がおり、うれしいニュースでした。
同高では生徒へアンケートを実施し、結果を踏まえて新制度の導入を決めたそうです。生徒たちが校則を含む自分たちの生活に関わることに意思表示する仕組みがどの学校にもあるといいなと思いました。意思表示を踏まえ現状を見直すということが行われれば、生徒が民主主義を学ぶ良い機会になります。
とはいえ、今、民主主義を学ぶべきは大人たちかもしれません。県民投票をめぐって、民主主義の仕組みを壊す「やばい」ことが起きたと私は思っています。
いつもは議員に政治をお任せしている私たちが、重要な問題に対し意思表示をする大切な方法が住民投票です。今回、住民投票に関するルールに沿って署名が集められ、県議会で議論され、住民投票をするための条例が制定されました。
ちなみに選択肢は「賛成」「反対」の二択ということで9万を超える署名が集められました。
ところが学者や弁護士が限りなく黒だと指摘する方法で、5市の市長が投票権を奪おうとしたのです。
《議会が予算を否決し、それを受けて市長が住民投票を実施しない》このように投票権が奪われるのであれば、今後、全県的な住民投票は常に「できない」可能性を含んでしまいます。
今回の展開は、他府県や次世代の住民投票を行う権利にも悪影響を与えるのではないでしょうか。5市の市長の主張の内容よりも方法の違法性に注目すべきです。
私たちと次世代の民主主義の「仕組み」が守られるよう願っています。
(玉城福子、大学非常勤講師)