<南風>台風と向き合う


社会
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 新年を迎え、いろいろと祈願したくなるものだが、その一つに今年は台風が少ないようにと強く願った。と、その傍(そば)からなんと元旦に台風1号が発生し、早くも出鼻をくじかれる思いだが、昨年は台風の当たり年であった。特に台風24、25号の被害は甚大であり、通信インフラを担うNTT西日本グループとしても、厳しい対応となった。

 弊社の中には災害対策室があり、台風ともなるとここが中枢となり、社内の営業や設備、総務などの各組織を統率して連携を図り動くことになる。台風発生以降の業務フロー、手順なども細かく規定されている。また電話交換機などの設備も停電が起きても対応できるようにバッテリーや発電機も備えてある。

 特に大型台風などの被災時は、県内外から必要な応援人員の確保、さらに受け入れ態勢として、活動拠点の環境整備、宿泊ホテルの確保、高所作業車の運搬手配等が挙げられるが、近年の台風は進路も複雑化し、また沖縄近海での発生も多くて準備期間が不足するなど、自然と向き合うのは容易ではない。

 今回は大型台風が久しぶりに沖縄本島を直撃ということもあり、こちらも身構えていたのだが、全国的に災害が頻発している中、相互応援の体制が思うように取れなかった背景が今回の復旧に時間を要したことにもつながった。

 むろん、もっと大変な思いをされたのは、電話やインターネットなどが使えず困り果てたお客様の方であったのだが、本当にご迷惑をお掛けして申し訳ない気持ちでいっぱいである。同時に、この時を振り返り、明らかになった課題としっかり向き合う必要があるとの思いも強くした。大切なお客様のために、今回の教訓を今後に活(い)かすという命題を中軸に据えて、一年の計を立てたい。

(畔上修一、NTT西日本沖縄支店長)