<南風>食卓に愛をのせて


社会
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 2月14日はバレンタインデー。愛と感謝にあふれる幸せな一日だ。最近は同性の友に贈る「友チョコ」、家族に贈る「ファミチョコ」、そして自分にご褒美の「マイチョコ」などと、トレンドも変化しているようだ。バレンタイン商戦に乗せられているような気もするが、私も例に漏れずデパートの催事場で夫と父にファミチョコを、そして飛び切り上等なベルギー産のチョコレートを自分用に購入した。

 バレンタインというと30年前、ニューヨークのデパートで目も心も奪われた真っ赤なテーブルディスプレーを思い出す。赤いクロスに白いお皿とワイングラス、フォークとナイフが行儀よく並び、中央には深紅のバラが飾られ、そしてハート柄のナプキンとバレンタインカードが添えられていた。

 色をそろえることでこんなにも素敵になるのか! ステイ先のロサンゼルスのホテルの部屋でもカルチャーショックならぬカラーショックを受けた。ベッドカバー、カーテン、ランプシェード、タオルまで全てがラブリーなピンク色で統一されていて気分は乙女に!

 五感による情報判断の割合は視覚87%、聴覚7%、嗅覚3%、触覚2%、味覚1%。なんと9割近くは視覚からの情報だそう。そして視覚のうち80%は色の情報だという。数字からも、見た目がもたらす効果が大きいことに驚く。ということはテーブル上の色の配色を考えてコーディネートすることで美しさとおいしさが倍増し、テンションも上がるということになる。ただお腹を満たすのではなく、楽しく心豊かに食事をするためのひと手間、ひと工夫は大切であるといえよう。

 明日のバレンタインデーは、感謝を届けたい大切な人のために、ランチョンマットとお花、そしておいしい料理を準備して、食卓に愛をのせてみてはいかがだろうか。
(大木綾子、食空間コーディネーター)