<南風>今年の文字は「挑戦」


社会
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 競輪選手の新年のレーススタートは早い人で元旦からです。私も1月5日からの玉野競輪(岡山県)でスタートしました。

 私は一年の始まりに今年の目標と決意の文字を考えるようにしています。去年の成績やトレーニング方法など、日常生活も含め自分を分析することにもつながり、年間を通してモチベーションを維持するためです。そして決めた文字を手帳の最初のページに書くようにしています。

 それには理由があります。私はデビューして初勝利するまで半年かかりました。70人近い同期の中で時間がかかった方でした。その頃の私は競輪学校を無事卒業してプロになったことで安心してしまい、なんとなく強くなりたい、レースで勝てればいい、くらいの気持ちで具体的な目標などは決めずに走っていました、それでは勝てるはずもなく、プロとしての自覚が足りないことに気づきました。

 そこで手帳の最初のページに、自分で決めた目標を簡単な文字で書くようにしてみました。手帳にはレースの日程、トレーニングメニュー、練習のタイムなどを書き込むので、そのつど決意の文字を見ることになりました。

 単純な私にはこれが効果ありでした。トレーニングやレースで調子が上がらずネガティブな感情が出てきたときでも、手帳を開くと決意の文字が見え、気持ちの切り替えができ、モチベーションが維持できるようになりました。

 今年書いた文字は「挑戦」です。去年の後半は怪我(けが)で3カ月レースを走れず、治療とリハビリの繰り返しで不完全燃焼だったこと、今年の一発目のレースが復帰戦ということで、思いを込めました。復帰戦は緊張しましたが、手帳の文字を思い出して挑みました。今年はイノシシ年、猪突(ちょとつ)猛進。レースでの挑戦がこれからも続きます。
(仲松勝太、プロ競輪選手)