<南風>琉球オアシス ニライカナイの世界へ


社会
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 第27回「テーブルウェアフェスティバル・食卓を彩る器展」が先日東京ドームで開催された。国内外の名窯、食器ブランドが一堂に会し、9日間で30万人の動員数を誇る人気のイベントだ。彩りのある暮らしを提案するテーブルセッティングをはじめ、コンテストやセミナー、展示販売など盛りだくさんの企画にワクワクしながら通い続けて20年になる。

 平成26(2014)年には、沖縄料理研究家、高山厚子先生の熱き思いとご尽力で沖縄コンベンションビューロー主催の沖縄県ブース「琉球オアシス」の初出展が叶(かな)い、私も食空間コーディネーターとして関わらせていただいて6年目を迎えた。

 私の役目は、点を面にすることで食空間を作り出すこと。沖縄の伝統工芸品のやちむん、ガラス、漆器、染織をテーブル上でコーディネートし、魅力ある使い方を提案している。独特の温もりと優しさを感じる沖縄の工芸品はたちまち大人気となり、沖縄県ブースは長蛇の列の大盛況、右肩上がりにファン数を更新中だ。

 4年前に主催がコンベンションビューローから沖縄県ものづくり振興課にバトンタッチされ、「琉球オアシス ニライカナイの世界へ」を新たに展開。しかし残念ながら今年度は県の予算繰りが厳しく、6工房の自主出展となった。30万人の来場者に沖縄の魅力を発信する絶好のチャンス、次年度はぜひ沖縄県のお力添えをいただきながら出展できることを願っている。

 さてご存じだろうか? 沖縄は小さな島ながら京都、新潟に次ぐ伝統工芸品の宝庫だということを! 琉球王朝時代から大交易時代を経て、諸外国の影響を受けながら独自に発展し受け継がれてきた沖縄の宝物を、これからも守り育てつつ、万国津梁の鐘の音に乗せてグローバルに広げていけたらと私の夢も膨らんでいる。

(大木綾子、食空間コーディネーター)