<南風>I have a dream


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 17年ほど前から、市民活動に携わっている。NPO(非営利団体)活動とも呼ばれるが、地域の課題を地域の人が力を合わせて解決に向けて動くというものだ。これがすごく楽しくて、気付けば四つの活動の代表を務めてしまっている。その活動の一つが第41回琉球新報活動賞をいただいた。この場を借りて、推薦くださった方々、そしてこれまで支えてくださったサポーターの皆さまに心から感謝と喜びの気持ちを伝えたい。ありがとうございます。

 私がこのような活動を始めたきっかけは、意外にも私の勤める会社の上司の一言だった。「みーきー、社内保育所を作ったらどうか」。そこから、保育のほの字も知らない私が、文科省内保育所へ見学に行ったり、運営会社に電話をしたり、保育に関する講習会に参加したり、社内アンケートを取ってニーズ調査をしたりと、あらゆる情報を求めて動いてみた。結果、社内保育所はできなかったが、私の世界は確実に広がり、現在関わっている四つの活動へとつながっている。

 きっかけとなった上司は、私に夢を語ってくれた。そして実現していた。だから、私にもやりたいことは、どんどんやれといつも後押ししてくれた。私が躊躇(ちゅうちょ)せずに、その後もいろんな活動に関われたのは、彼の影響が大きい。夢は子どもの専売特許ではない。夢を持っている大人はかっこいい。だから私も声を大にして伝えたい。私には夢がある。沖縄の子どもたちが生まれ育った環境に関わらず、なりたい自分になることを、大人が応援できる社会を目指したい。夜が明けて、新しい一日が始まるときを、悲しみや苦しさで迎える人の肩に、そっと手を置く存在がある世の中にしたい。違いを認め合い、歌ったり踊ったり、冗談を言い合える、心に遊びのある社会を。私にはそんな夢がある。
(糸数未希、にじのはしファンド代表)