<南風>琉球スタイルのアフタヌーンティー


社会
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 お気に入りのパン屋さんで知った3月13日のサンドイッチの日。上手(うま)い語呂合わせに感心しつつサンドイッチ用の食パンを買って、早速キューカンバーサンドイッチを作ってみた。キュウリだけのシンプルなサンドイッチと、お気に入りのカップに淹(い)れたおいしい紅茶が至福の時を与えてくれる。

 目を閉じると、紅茶の香りが食卓の記憶を呼び覚まし、クラシカルでデコラティブな美しい空間が私の頭の中に現れる。そこはアフタヌーンティー発祥の地ロンドンはホテルリッツのティールーム。丁寧なサービス、とびきりおいしいティーフードと紅茶。わたし史上一番の優雅でぜいたくなティータイムの思い出だ。

 最近では沖縄が紅茶の産地となり、年々深みが増す沖縄の紅茶が世界三大銘茶のダージリン、ウバ、キーマンに続き、世界四大銘茶にランクインするのもそろそろではないかと期待が膨らむ。

 沖縄の紅茶作りのパイオニア、沖縄ティーファクトリーの内田智子代表が主催する「東京ドームテーブルウェアフェスティバル」のサロンセミナーで「琉球スタイルのアフタヌーンティー」と題して、私も長きにわたりお手伝いをさせていただいている。

 アフタヌーンティーとは沖縄風にいうと、いわゆる三時茶~であるが、テーブルの上を紅型や琉球ガラス、やちむんでコーディネートし、琉球漆器の東道盆にオキナワンスイーツを彩り、ゲストの皆さまに琉球紅茶をゆっくりたのしんでいただく。

 2月に開催されたサロンセミナーでは、スペシャル企画の琉球舞踊の舞からインスピレーションを得て、伝統工芸品の金細工「房指輪」をナプキンリングとして使わせていただいた。ホテルリッツにも負けない上質な沖縄風三時茶~、沖縄で楽しめる場を今後広げていけたらと思っている。
(大木綾子、食空間コーディネーター)