<南風>タンザニアで世界は一つ実感


社会
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 2015年7月、人類誕生の地と言われるタンザニアに上陸。アフリカで中古車販売や関連事業のビジネスを展開している金城拓真さんとの出会いがご縁で東アフリカ最大規模の国際商業見本市、通称「サバサバ」で行われた日本文化まつりに出演しました。

 8組のアーティストが2日にわたってさまざまなジャンルの芸能を披露。観客は三線の音色や歌、紅型衣装を不思議そうに見ていましたが、興味を持ったようで三線の弾き方を教えると喜んでくれました。現地ミュージシャンとのセッションは沖縄とアフリカの音楽が融合し、音楽は国境を越えることを実感。タンザニア人が命名してくれたカルメ・ミトゥンバというアフリカ名も気に入っています。

 三線ケースにタンザニアのアート、ティンガティンガを描いてもらいました。表面はジャンプしているマサイの女性、裏面にはサファリの動物が描かれアフリカの躍動感が伝わってきます。電気もない薄暗い工房や野原のような場所で日々素晴らしい作品が生まれていて、環境が整っていないことを言い訳にしてはいけないと気付かされました。

 「ハラカハラカ、ハイナバラカ」。スワヒリ語で急いでも良いことはないからゆっくりいきなさいという意味。自然体で接してくれたアフリカ人の輝いた目が印象的でした。遠い場所でも同じ太陽の光を浴び、同じ月を見ていると思うと近くに感じられます。音楽も生活も地域や民族によって独自のリズムがあります。

 イキ・カライキ・スマヌナリンナリ。ウリガドゥーヌタミドー。行く場所の習慣に慣れるよう心がけることが自分のためになる。アフリカへ行けたのだからどこへでも行ける気がします。貴重な経験をさせていただいた金城さんをはじめアフリカの皆さまありがとうございました。アサンテサーナ。
(HIRARA(ひらら)宮古島出身歌手)