<南風>沖縄の中心で愛を叫ぶ


社会
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 突然ですが、私の夫はハンサムです。しかも心もとても優しくて、私よりずっと愛情深く子どもたちのことを思っています。性格は真逆と言っていいほどで、私は外に出て活動することが好きですが、彼は哲学家タイプでいつも物事を頭の中で深く深く考えています。

 大雑把(おおざっぱ)で手抜きが得意な私と、繊細でキャラ弁まで作れる夫。お互いが異なる特質を持っているおかげで、バランスが取れていると感じています。結婚して17年たちますが、人生の選択で彼を伴侶として選んだことが、私の今までで最高の選択です。二人の子どもにも恵まれて、健康に育っています。もちろん、みなさまと同じように家庭生活にはいろいろありますが、ジェットコースターのような人生を楽しんでいます。

 私には最近見た忘れられない映画があります。「リリーのすべて」という世界で初めて性別適合手術を受けた芸術家とその妻の話です。主人公は夫の方です が、愛する夫が女性として生きる決意をしてからの妻の葛藤と、それでも彼に寄り添い、彼が女性として生きる道を支える妻のその姿がひときわ心を打つ作品です。

 映画を見終わった後、感動に浸りながら考えました。もしも、私の夫が女性だとカミングアウトしたら。それでも私は彼と一緒に居られるか。答えはイエス。私にとって夫は男性や女性という性を超えた、大切なソウルメイト(魂の友)なのです。人生の荒波を一緒に乗り越え、幸せになることを約束した特別な友なのです。

 世の中には愛妻家もいますが、愛夫家なんてどうでしょう。妻のみなさん、夫を愛していると、大好きだと叫んでみませんか。照れ笑いの後に幸せな気持ちがフワッと湧き出ると思います。ちなみに、こんなタイトルにしましたが、セカチューを見たことはないです。
(糸数未希、にじのはしファンド代表)