<南風>離島のICTライフスタイル


社会
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 石垣島へ向かう機内で八重山の情報誌「月刊やいま」を手に取ると、石垣島での映画館の歴史がつづってあった。何と最盛期には七つの映画館が島内にあったそうだ。それだけ映画が庶民の大きな娯楽だったということだと思うが、テレビが普及すると娯楽の主役はテレビに奪われ、時代の波にはさからえず2006年を最後に島の映画館は一旦消え去った。時代が変わり、今はオリンピックイヤーを控え、4Kや8Kといった超高画質の大型テレビが店頭に並ぶようになった。繊細なしぐさや表情まで見えるようになり、銀幕の名優ならぬ8Kの名優が新たに生まれるかもしれない。

 通信環境も変化が起こり、沖縄でも多くの離島で光サービスの利用が可能となった。娯楽の原点が変わらないとすれば、いまはテレビに光サービスをつなぎ、インターネット上の動画配信サービスを利用すればお茶の間がシアターになる。専門チャンネルで名作映画やさまざまなスポーツ、趣味の番組が迫力ある映像で楽しめる時代となった。離島では朝刊が午後に到着するようなところもあるが、電子新聞を購読すれば、家の中のWi―Fi環境を利用して、タブレットで朝からリビングなどでこのコラムを楽しめる日常はもう始まっている。

 民宿、遊漁船やダイビングショップなどは、ホームページで詳細な営業内容を発信し、予約受け付けや予約状況の確認がWebでいつでもできるとなれば、店主とお客さまの双方にとって利便性をあげることになるだろう。島を訪れたらご当地フリーWi―Fiを利用してスマホで観光名所を探せるし、その場で写真や動画を共有できるなど旅を豊かにしてくれる。

 このようにICTで離島のライフスタイルが変化し、観光や生活が向上するよう私たちも汗をかいていきたい。
(畔上修一、NTT西日本沖縄支店長)