<南風>応援しているよ


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 NPO法人エンカレッジが運営する塾で1年間講師をしていたことがあります。中学生が通う塾でした。

 離職して3年となります。先日ばったりと当時の生徒に会いました。何と大学受験日だというではありませんか。会場まで見送りました。その後、報告を待っていましたが、連絡はきません。きっと不合格で落ち込んでいるのだ、少し時間がたってからさりげなく連絡しようと思っていました。ところが急に「合格しました」との連絡が届いたのです。うれしいニュースにとても興奮しました。タイミング悪く合格発表後に携帯が壊れてしまっていたそうです。

 塾で働いていた頃、ほぼ毎日子どもたちと顔を合わせていました。私はしんどい時期で、日々一生懸命生きている子どもたちに元気をもらっていました。子どもたちの悩みをひたすら聞く日もあれば、子どもたちから大切なことを教えてもらう日もありました。今はどうしているかな、元気かなと高い頻度で思い出しています。また、当時の塾長と会うとその後の子どもたちの様子を聞いたりしていました。こっそり見守っている感じです。

 最近、高校受験の時に通っていた塾の先生と再会を果たしました。先生が新聞で私が書いてきたものをほとんど読んでいたことに、びっくりしました。実は見守られていたのです。何だか元気が出ました。

 自分のできない点ばかりに目が向く時もあります。才能もないし、努力する根性もないと感じてしまう日もあります。そんな時に、「やってみたら」と背中を押してくれたり、「応援しているよ」という言葉をもらうと不思議と少し頑張れる気がしてきます。

 4月は出会いと別れの時期です。心の中で応援している人がいるならば、実際に「応援しているよ」と声に出してみるのもいいかもしれません。
(玉城福子、大学非常勤講師)