<南風>ネパールで友好の橋体験


社会
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 2074年4月ネパールに上陸。近未来に来た気分になりますが、これはネパールで一般的に使用されているビクラム暦で、西暦にすると2017年8月。石垣島出身の川端美和子さん率いるネパール平和文化交流団に加わり、約40人でネパールを訪れ学校交流会に参加しました。

 ネパールの人口の多くを占めるヒンドゥー教では牛は神聖な動物として大切にされ、牛が自由に暮らし生活にとけ込んでいます。仏教のお釈迦様が誕生した聖地もあり、多民族国家で信仰もさまざまですが柔軟な考えで互いの思想を尊重し調和していました。

 学校交流会では子どもたちが「ナマステ」と両手を合わせ笑顔で出迎え、ネパール流の歓迎の印にカダという布や花輪を首にかけてくれました。ネパールの学生が披露した伝統舞踊や独特の音階と節回しの歌に感動。私は三線を担当し日本の交流団で沖縄の曲を歌うとネパールの学生も一緒に踊って国際交流の醍醐味(だいごみ)を味わいました。

 心にある花の眼を美しく良い思考で物事を見ることの大切さを説いた「フルコアカマ」というネパール民謡を初めて聴いた時、言葉の意味も分からないのに涙が出ました。音楽は言語の垣根を越え心に響きます。人と歌も縁があると思い海外で出会った曲も歌っていきたいと思うようになりました。

 人口より神様の数が多いといわれるネパールでは行事が多く、宮古島との共通性を感じる祭りもありました。帰りの飛行機から見えたエベレストはとても神々しかった。沖縄には多くのネパール人留学生や外国人観光客が訪れ異文化に触れるチャンスが増えました。世界に友好の橋を懸けていきましょう。

 ドゥータチャーラ、アタラスーアタラスパスカキイカヤァ。また会う日まで。ナマステ。

(HIRARA(ひらら)、宮古島出身歌手)