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 ゴールデンウィークが近づく頃、沖縄に初夏の訪れを告げる「オクラレルカ」の花便りが、山原より届く。

 水田一面に広がるすっと伸びた長い葉の間に咲く薄紫の花は、見るものに爽快感を与える。名所として知られる大宜見村喜如嘉から株分けされた花を地域の宝として大事に育てている宜野湾市のチブガーラ流域でも、今年で5回を数える「オクラレルカ祭」が、13日から21日にかけて、NPOチブ川保存会の主催で催されている。

 新報のサイエンスクラブ2018年度の研究者でもある小学生I君は、先日、湧き水fun倶楽部でチブガーラの水質についての研究を報告してくれた。

 水源から、下流にかけて数カ所、水質調査をしながら、チブガーラの環境について調べたところ、水質については、以前からこの地域で問題になっていた不法投棄の影響が懸念されるものの、地域の人たちが花を植え、観光に訪れる人が増えることによって、ごみを捨てる人は少なくなり、周辺はきれいになったのではないかと話していた。

 先週末、ひと足早く訪れてみると、住宅地の間を流れるせせらぎにオクラレルカがいっぱいに広がり、咲きはじめの美しい花を写真に収める人の姿が見受けられた。辺りには小さなベンチも設けられ、年配のご夫婦が仲良く腰を下ろしている。そのベンチは、地域にある小学校の児童らが設置したという案内があった。子どもたちの素直なまなざしが見えるようだった。

 自分たちが暮らす地域がよりよくなるように、さらに地球という私たちの住む星の自然がいつまでも守られるように。そんな思いを子どもたちはしっかりと持っている。

 オクラレルカの花言葉は「良い知らせ」。この花の咲くこの季節、皆さまの元にもよい知らせが舞い込みますように。
(ぐしともこ、湧き水fun倶楽部代表)