<南風>「沖縄ライン」で1、2位取る


社会
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 競輪選手には脚質というのがあります。先行選手(逃)、先行選手の後ろについて戦う選手を追い込み選手(追)、両方できる選手を自在選手(両)、ガールズ選手の脚質は自在(両)となってます。新人選手は先行で脚力をつけ上を目指していき、経験を重ねるにつれて自在や追い込み選手に変わっていくことが多いです。

 男子が9人でレースを走る場合、脚質を振り分けて三つのラインができるようにレースの番組が組まれます。先行選手は後ろに味方となる追い込み選手を引き連れてレースを動かし勝負して1着を目指します。

 追い込み選手は自分の前を走る先行選手の後ろで別のラインの選手が抜きにきたとき、牽制(けんせい)をしたりして前を走る先行選手をサポートしながら最後は1着を目指します。

 一対一で若い選手に勝つのは厳しくても、競技のなかでラインを組んで風よけとして走ってくれる先行選手と追い込み選手がゴール前まで共存共栄しながらお互いが勝利を目指すことをライン競走といい、競輪の特徴でもあり、ベテラン選手が活躍することができ、競輪の選手寿命が長い一つの要因でもあります。

 ラインを組むときは同県、同支部、近い地域などで並びます。勝ち上がりによってはラインを組めないこともありますが、初日の予選競走はラインが組めるように番組ができてることが多いです。

 3月の佐世保競輪最終日に弟子の照屋将貴選手(111期)と沖縄ラインを組んでレースを走る機会がありました。強い本命ラインは別におり厳しいレース予想ではありましたが、照屋選手が私の前で風をきり先行し私が2着に入り込むことができたのは照屋選手とのラインのおかげでもあります。次こそは沖縄ラインで1、2フィニッシュしたい思いが強くなったレースでもありました。
(仲松勝太、プロ競輪選手)