<南風>Shall We カチャーシー


社会
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 結婚披露宴の席で司会をやってつくづく思う。やはりカチャーシーは盛り上がる。カチャーシーには両手を上げて左右に動かす基本スタイルがあり、熟練したオバーたちは優雅に喜怒哀楽を込めて踊る。

 文字通り、喜びも悲しみもかき回す…皆で分かち合うために。基本以外にもいくつかのスタイルが確認されている。その一つがワンハンドスタイル。両手を使わず片手一本を駆使した踊り方だ。時にはその片腕がキリンの首のように、時には象の鼻のように、また蛇や魚などさまざまな形態に変化する。ワンハンドスタイルよりハイレベルなのがノーハンドスタイル。もはや基本である腕を使わず、その代わり足をいかす。

 ステージを縦横無尽に駆け巡ったり、コミカルなステップにお尻をフリフリ。表現力の深みを見せつける。また、別の動きを融合させ進化を遂げたスタイルも実在する。その代表が空手スタイル。三線に合わせて空手を演舞。その勇ましさに観客は魅了される。

 闘牛の街・中部に多いのが闘牛士スタイル。ナプキンをひらひらなびかせて、まるで闘牛士のようにステージを立ち回る。闘牛役も出てきた時には拍手喝采である。ロボットやマイケルジャクソンスタイルも目撃されている。そんな中、僕を驚かせたのが…座禅スタイル。周りがカチャーシーを踊る中…一人煩悩を捨て去り無の境地に達する。悟りを開いた者にしかできないカチャーシー。お祝いの空気と一体化するまさに究極のカチャーシーである。

 カチャーシーにはさまざまなスタイルがあり、現在も進化を続けている。あなたのカチャーシーは何スタイルですか。そんなカチャーシーの中でも禁じ手が一つ存在する。それが胴上げカチャーシーである。胴上げは大変危険なので、踊ってお祝いしましょうね。司会者一同からのお願いです。
(上原圭太、漫才コンビ・プロパン7)