<南風>100年の眼


社会
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 今、沖縄の高校生が大注目されている。困った時にお金を貸してくれた恩人を懸命に探したり、火事で逃げ遅れた人を助けたり。ピュアな心を持った若者たちの行動に、人として大切なことは何なのかを改めて知る。沖縄県民として誇らしく、うれしいニュースに笑みがこぼれ、同時に子どもたちを導く立場の大人として大きな責任を感じる

 6月5日の世界環境デーに合わせて、2004年より開始されている「身近な水環境の全国一斉調査」が来る6月2日に実施される。全国で471団体、県内からは8団体の参加が予定され、一斉に水環境の調査をする。目的は身近な水環境を自ら調査し、実態を知り、実践活動に結びつけることなど10項目があげられており、子どもたちが調査に参加することにより、100年の眼で将来に活動を引き継ぐことができるという大きなねらい、そして、願いがある。

 方法は、身近な水環境に出向き、そこで時刻、天気を記録し、気温、水温を測り、採水してパックテストでCOD(科学的酸素要求量・これで大まかに水の汚れを知ることができる)を測定する。調査データは全国水環境マップとして後に公表される。

 琉球大学と湧き水fun倶楽部の共同で行っている水の環プロジェクトも、八重瀬町と多良間村で開催する。今回は、長崎県の佐世保工業高等専門学校の協力により、インターネットで結びテレビ交流の中で、地域の子どもたちと水環境について考える壮大なプロジェクトが計画されている。

 今、沖縄は水の問題で大きく揺れている。はたして100年後、私たちの住む沖縄の水はどうなっているのだろう。ひとりひとりが命の源である水に向き合い、自分事として真剣に考える時がきているのではないだろうか。100年先の未来に向けて。
(ぐしともこ、湧き水fun倶楽部代表)