<南風>「ケイリン」


社会
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 日本発祥のオリンピック種目は柔道が有名ですが「ケイリン」も日本発祥のオリンピック種目です。日本の自転車短距離ナショナルチームはほぼ競輪選手が日本代表として世界を転戦しています。2008年の北京オリンピックで永井清史選手(岐阜88期)がケイリンで銅メダルを獲得しました。09年から国際親善と競技力向上を目的とした競輪レースが外国人選手を交えて開催されています。それは世界選手権やトラックワールドカップなど国際大会の自転車競技(短距離種目)で活躍する外国人選手を招待し、私たちと同じようにレースに呼ばれて日本の「競輪」に参加します。今年はオランダ、オーストラリア、ロシア、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカから男子7人、女子4人が参戦しました。

 来日した選手は短期登録選手として全国各地の競輪場でレースを走ります。

 日本の競輪は総合的能力(脚力、戦術、テクニック)が必要なスポーツと言われていますが、外国人選手たちはとにかく身体能力が高く戦術など関係なく脚力(パワー)で勝負してきます。そして勝利します。お客さん目線だと本命が決まってるのでわかりやすいと思うのですが日本選手も負けじと戦術、テクニックを駆使して全力で戦います。

 5月22日に久留米競輪で前世界チャンピオンのマシュー・グレッツァー選手(オーストラリア)が初日の予選競走で上がり200メートル10秒4というバンクレコードを出して決勝まで勝ち上がりました。

 24日の決勝は誰もがスピードの勝るマシュー選手が優勝するだろうと予想してましたが、先手ラインの二番手にいた日本の友定祐己選手が捲(まく)りにきたマシュー選手をブロックして失速させました。友定選手のラインから優勝者が出たレースは日本の競輪の意地を見たようで印象的でした。
(仲松勝太、プロ競輪選手)